ダーリンはお坊さん

踊る若お庫裡の日記。

しんこん12_想像できない気持ち

2021年6月のある日。休日出勤の後、私の実家に2人で出かけました。私の父に保証人のサインをもらうためでした。

実家に途中の駅で合流して、2人で電車に揺られながら、私にとっては慣れた車窓を眺めました。思えば、高校卒業後、自宅から電車で名古屋の専門学校に通う様になってから、ほぼ毎日使っている電車。これからはそうじゃなくなるんだなぁと実感すると、初めての緊張感が湧いてきました。

家族にはもともと電話で用向きを話してあったので、断られる話ではないとは言え、彼も、とても緊張していた様です。私たちは、5合のご飯を2日で食べ切る大食漢ペアなのですが、この日ばかりはそれどころではなく、夕飯も食べずにソワソワしながら家に向かいました。

時間通りにインターホンを押すと、母がいつもの格好で迎えてくれ、リビングに入りました。父もまた普段通りの格好で、かえって、緊張させまいとする家族の気遣いを感じました。

「晩御飯は食べて来ないと思ったから、用意したかったんだけど、ちょっと体調が悪くて、買ってきたものでごめんね」と軽食を用意してくれていた母でしたが、「まあ、済ませることを済ませないと落ち着かないと思うから、先に書いちゃおうか?」との父の声がけで、まずは婚姻届の記入をしてくれました。

保証人欄は上下ではなく左右にわかれています。「どちらに書いたら良いかな?」と少し迷った結果、右上左下にならい、お師匠様の欄を中央にし、父の欄が右隣になるように書いてもらいました。こうすると、ちょうど、A3右半分の「新郎・新婦」の並び方と同じになる様、「新郎保証人・新婦保証人」の並びます。

3枚用意した婚姻届でしたが、1枚は建物の名前が入り切らずに書き直し、新婦保証人の欄の記入が完成したのは、2枚分となりました。母・妹・私達の4名に注目され、とても書きづらかったと思います。書き終わってからは、「これで漸く飲めるな」と、笑顔で焼酎に手を伸ばしました。

父が先に書いてくれたことに甘え、前後してしまいましたが、彼から、市役所に行く予定日と、コロナ禍で顔合わせや式の時期が未定のままになっていることを説明・謝罪。「まあこんな時だから」と私の両親も納得しており、無事に挨拶と記入が完了した次第です。

幼い頃から両親の入籍時のエピソードを聞いていた私は、父と彼が話している様子を見て、「とうとう自分達がその番になったんだな」と感じていました。また、こんな歳でも、娘としては、実家を離れることは大変淋しく感じました。

娘の立場でもこんなに淋しいなら、父母からすると、漸く長女を嫁に出した安心の反面は、一体どんな気持ちなんだろうと思います。その、想像できない気持ちを、自分なりに想像してみたりしました。

それは、彼を家族として迎えてくれている、笑顔の父と母の姿の内側に、私には想像できない色で、大きな大きな湖の様に存在している気がしました。

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